MARCOU
□セクシー
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『お帰りなさい。外すごい雨ね大丈夫だった?』
「……本読む片手間に背中向けられたまま言われても答える気分にはなれねーない」
『ふふっ、ごめんなさいでもちゃんとタオルは用意して待ってたのよ?』
「クッション代わりじゃなかったのかい?」
『怒らないでったら?本を読んでたのが気に入らなかったなら破いて捨てたっていいわ』
「それを俺が望んでるとでも?」
『思わないわ』
ほんの言葉の綾だと付け加えてパタンと本を閉じ寝そべっていたベッドから起き上がって床に足を下ろす
素足の足裏に木目のざらっとした質感と冷たさが直に伝わってくるけど、この嵐の中不得意な水を浴びながら駆けずり回って来たマルコに比べたら
どうって事はないっと数歩進んだところで少し慌てたような足取りでマルコの方から此方へやって来た
「裸足じゃ冷えちまうよい!」
『平気よ、嵐の中頑張ってくれたマルコ達に比べたら取るに足らない事だわ』
「すぐに霜焼け起こす奴が何言ってんだ。早くベッドに上がれよい!」
『すぐよ。マルコにタオルを渡したらすぐに戻るわ?――ご苦労様でした』
「あぁ、ありがとうよい」
だから早くベッドに上がってくれなんて頼まれたら従わない訳にもいかなくて心配性なんだからと小さく笑ってベッドの上に座り込んで
揺らめく蝋燭の頼りない薄明かりの中ずぶ濡れのシャツを纏う姿を何とはなしに見詰める
『………セクシー、ってこうゆう事を言うのねきっと』
「ぁあ、?!」
濡れたシャツがぴったり張り付いて見える身体のラインに(苦手なものを被って)僅かに苦し気な目許、頭を拭くタオルから垣間見える首筋
今のマルコの全部がセクシーだと付け足して爪先から頭の天辺までじっくりと視線を向ける
「……余りにも突拍子の無い事にどう返していいか解らねェが、1つだけ言えるとすりゃあ」
『きゃ…ッ、どうしたのマルコ?!セクシーなんて言ったから怒ったの??』
「言ったろい、どう返したらいいか解らねェって?怒っちゃいねーよい!」
『だったら、どうして??』
「濡れたシャツが張り付いて見える身体のラインも苦し気な目許も、チラリズムってやつも全部俺よりお前のが似合うだろーよい!」
相反して通ずるもの
『それでどうして抱き締められたのか解らないわ』
「あー、こうすりゃあ雛姫の着てるティーシャツが濡れてくれると思ったんだけどねい?思った程濡れないもんだな」
『ふふっ、何だそんな事だったの?だったらこのままシャワーでも浴びてくる?』
「バカやろう。そんな事しなくたって身包み剥ぎ取っちまえば済む話しだよい!」
『やだ、何時からそんな話しになってたの?』
「サイクロンが邪魔しなきゃ端っからそうゆう話しだったろい?」
『そうだったかしら?』
「忘れたんなら思い出させてやらなくちゃなぁ?」
…………)atogaki(…………
マルコにコメントをくださったリビ様の”セクシー”を題材に書いてみました
セクシーとは何か?酷く悩んでこれだ!っと書いたのですが結果がこれではどうしようもないですよね?
でも精一杯頑張って書きました!!
他の候補として、煙草を吸う仕草だとか運転中の動作だとか寝起きだったりと色々考えたんですよ?
いつかお披露目出来たらいいなぁ(笑)