MARCOU

□捕食者と非捕食者
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「なー、サッチ?こんな何も無さそうな島にマルコは一体どんな用事があるんだ??」

「何も無い島だってどうして解るんだエース?」

「美味そうな匂いがしねーえ。」

「さっすが野生児、何でもよく解る鼻してる事で!この島はもうじき無人島になる島だ」

「もうじきってどうゆう事だよ?!」

「いいから釣りに集中しろ!お前が食料食い尽くしちまったんだから責任持って今晩のオカズを釣り上げろ!!」

生い茂った森の木々が邪魔で空からじゃ何も見えない上に、特殊な磁気が流れてる所為で方向感覚が狂わされる
この絶海の孤島の森を迷う事無く進めるのはこの森に生息する野鳥と彼奴くらいなもんだ

「邪魔するよい。――…って居ねェのか?おーい、雛姫居ねーェのかよい??」

『……はーい、此処に居るよ。用があるなら此処まで来な!』

ジャングルの中心に位置する此処にある古びた建築物。モビーディック号よりもでかいその内部は数万冊の本で埋め尽くされており
住人は風変わりな女がたった1人だけ―――自給自足と言えば聞こえはいいが実際は鳥共が餌にしてる果実を摘まんでるだけ
見て呉れはいいが口が悪くずぼらで連絡を取ろうにも手紙も電話も梨の礫もいいところだ。

「随分と忙しそうだねい?今は何を読み漁ってるんだい?」

『タイトルを見て判らないヤツには話しても無駄。それより一体何の用で来た??』

「……相変わらずで安心したよい。用が無いなら来るなとは言われてなかったから来てみただけだ」

『あぁ。来るなとは言わない―――ただ、船で乗り付けていいなんて許可した覚えは無い』

「告げ口したのはどの鳥なんだろうねい?まったく野暮な鳥も居たもんだよい」

『さてね。そんで幻の青い鳥はあたしに何の用だってのさ?』

「そろそろこの島を離れる決心がついたかと思って来たんだが…まだ決心は決らないのかい?」

『そんな事を聞く為にわざわざ来たっての?暇人だな。ご苦労様な事で』

秋色の島に住む本のムシ

「本のムシ?!そんな物に会いに行ってんのかよマルコのヤツ!?」
「バーカ!本が好きな奴の事をそう言うだろーが。すっげーぇ美人なんだぞ?」
「へーえー…本当かよ。サッチはどの女にもそう言ってんだろ!」
「エースは本当にバカだな!女は皆ダイヤの原石で綺麗にすんのは男の腕次第なんだよっ!!」
「へーへー、さいですか。にしてもマルコに女なんて想像つかねーなぁ」




…………)omake(…………
『何でそこまですんのか不思議だよ、まったく!!』
「俺ぁ鳥、お前はムシ――追い求めるのに理由がいるかい?」
『蓼食う虫も好き好きってヤツか。ますますご苦労様な事で』
「労ってくれんなら、このまま俺と一緒に来てくれると嬉しいんだけどねい?」
『そりゃ遠慮しとくよ。1人できたんだから帰るのも1人で帰んな!』

 

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