MARCOU
□クリスマスツリー★
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「雛姫はクリスマスツリーの飾りと聞いて一番に何を思い浮かべる?」
『…真っ赤なリボンかな?ツリー全体に大きく巻かれたリボンもいいけど、小さなリボンがたくさん付いてるのがいいかなぁ??』
「小さくて真っ赤なリボンねい―――素材はベルベットにでもするとして、それだけじゃ物足りねェない……」
『インパクトが必要って事?……だったら、リボンの角にテリアドロップカットの飾りを付けるなんてどう?』
「テリアドロップか!そうすればインパクトもでる…が、リボンの角ってェのは何処の事だい?」
『リボンの両先端。ひらひらした部分で――…マルコさん紙と鉛筆ある??』
高さ120mの樅の木に飾る25万個の装飾品の製造から発注、更には設置から飾り付けまで全て自社で執り行い
クリスマス当日には取引先の主だった重役達や社員それぞれの関係者なんかを招いてのパーティーをするのが創立以来から続く例年行事の1つ。
今回は装飾品の発注担当になった俺の部署はパーティー参加者に配るオリジナル装飾品のデザインを考える事になった
―――は、いいが……思い付く飾りは出尽くしていて上がってくる提案や図はどれも候補にすらならない物ばかり
困り果てた末にアイディアを貰おうと雛姫に聞いてみればさらさらと図にまで書いてくれた
「中で待っててくれってメールしたろい?何だってこんな寒い外で待ってたんだよい雛姫?」
『此処で待ってたらマルコさんに早く会える気がしたから……って答えじゃダメですか?』
「混んでても裏道を走って来なくて正解でったな。裏から来てたら雛姫を見付けるのに苦労してただろーよい」
『ぁ、マルコさんの手まで冷たくなっちゃうよ?』
「指先が凍りみたいに冷てェな…。それで雛姫の手が暖まるんなら構わねェよい!」
白い息
『あのね、本当は何度も中に入ろうと思ったの。でも入れなかった』
「……入れなかった?エントランスで招待状見せれば入場できるって教えてなかったかい?」
『だって、中にはマルコさんが居ないでしょう?ツリーを見ながら1人で待ってるのはツライから、此処に居たの』
…………)omake(…………
「あそこに居るのマルコだよな?隣に居るの誰だ??」
「んー、……ぁあ!!ありゃーマルコの彼女だな。大方此処に来るの渋ってんだろ?」
「渋る?何でだよ、此処には食い物も酒だってあるのに?」
「噂じゃーぁ、かなり入れ込んでるって話しだからな。俺等に紹介したくないってところか?」
「いいか?エース、マルコはあー見えてかなりの独占欲と嫉妬心の塊なんだよ!」