ほし

□それどころじゃないから
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「………桜華、お前は…何っつーぅ格好してんだよい!!」

泣くと言うよりは縋り叫ぶ様に呼ばれる自身の名前と加えて乱暴にドアを叩く音に急かされて椅子から立ち上がる
ドア越しにも相当焦ってる事が伺えるが別段慌てるでもなくのったりと足を向け
些細な事でさえ激しくとっちらかって一人で慌ててる様な奴だ。等と内心ごちってゆっくりとした動作でノブを回しドアを開ける

机の脇に置いたランプの薄明かりが漏れ出す廊下に立つ桜華は頭から全身ずぶ濡れで胴にぐるりバスタオルを巻き付けただけの姿。
恐らくその下は裸だろう事は否が応にも直ぐに察しがつく―――

『シャワー水、寒いからマルコの貸して!』

「落ち着けよい。幾ら何でもそれっぱかしの説明じゃ理解してやれねェよい!」

『ムリムリムリ、寒い!!』

かたかたと震える両肩を正面から包むように脱いだシャツを羽織らせて早々に部屋に招きいれる

「ゆっくり最初から説明しろよい?」

『だからムリだってば!取り敢えずシャワー浴びさせて?寒くて死ねそう!!』


それどころじゃないから
(説明はシャワーを浴びた後にさせてください!)

『ふィ〜…生き返ったぁ!シャワーありがとねマルコ!!』
「よいよい。それより何があったんだよい?」
『姉さんの所でシャワー借りたんだけど壊れてたみたいで頭から水被って死にかけた!』
「そらぁ災難だったない。―――でも、だからって何だって俺の所にきたんだい?」
『好きな男の部屋なら色々安全だと思ったから!ってのは理由にならない?』
「っ!………ょぃ。」

((唐突にそんな事言われたら、こっちは”色々と”問題があるよい!!))




…………)atogaki(…………
手の掛かる妹と思っていた桜華からの唐突な告白にシドロモドロなマルコ!!(笑)

 

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