学園アリス2まとめ

□一緒にいたかった
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 蜜柑と翼ははたから見れば兄弟のようだった。

 けれど、実際にはれっきとした彼氏彼女で。

 蜜柑を慕っている男どもからは翼は多くの攻撃を受けた。

 それでも、二人は幸せだったのだ。

 一緒に笑いあって、手をつないで。そんな日々がとても幸せだった。

 二人が付き合い始めたのは蜜柑が中学生になったころだった。

 多くの時間を二人で過ごした。

 周りがうらやむほど、二人は穏やかで幸せな日々を送っていた。



「蜜柑、今日は何する?」

「ん〜先輩は何したい?」

「蜜柑がしたいことがしたい」

「なんやねんそれ」

 何気ない会話で笑いあった。

「そうや!うちな、この前、アリスストーン作ったんや。せやから、これあげる」

 蜜柑が差し出したアリスストーンを見た後、翼は蜜柑の顔を見た。

「これ渡す意味わかってる?」

「もちろんやで!うちの旦那さんは翼先輩だけやもん」

 笑顔でそう言われれば翼も受け取るしかなかった。

「じゃあ、俺からも」

 翼は蜜柑の目の前でアリスストーンを作ってみせると、それを蜜柑に渡した。

「これで俺たちは結婚の約束をした。いつか、必ず結婚しよう」

「うん!」

 結婚の約束を二人はした。

 あれは蜜柑が14歳で、翼が17歳のときだった。

「蜜柑が20歳になって、学園から出られたときに結婚しような」

 そういって、翼は蜜柑の頭を撫でた。

「うん、楽しみやね」

 あのころは未来に希望を持ち、明るい未来を想像していた。

 将来何になろう、翼先輩のお嫁さんは決定。だったら、あとは・・・。

 そんなことばかり蜜柑は考えていた。

 それは翼も同じだった。










 


 今思えばあのころは本当に幸せだった。

 それがまさか、あんなにも簡単に崩れ去ってしまうなんて考えもしなかった。
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