tennis*short
□誰よりも愛してた。
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いつから変わってしまったんだろうか。
ちょっと前まで手を繋いで2人で歩いていたのに。
俺のことが好きだって、その可愛い声で言ってくれたのに。
原因は全部俺にあることはわかっている。
柄にもなく不安だったんだ。
さやかが俺以外の男を見るのが嫌だった。
さやかの携帯をチェックして、放課後は毎日俺の家でセックスして、必ず見えるところにキスマークをつけて。
そんな俺をいつも笑って受け止めてくれたから、俺は日に日に束縛を強めた。
男だけじゃなく、女友達と会話するのも許さなかった。
さやかの自由を奪ってしまったんだ。
「精市のことは好きだけど、もう無理なの」
泣きながら言ったさやか。
苦しめてごめんな。
こんな俺を最後まで好きと言ってくれたさやか。
忘れられそうもないけど、ちゃんとさやかの幸せを願ってるよ。
誰よりも愛してた。
END