tennis*short
□興味ないわけない。
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「結城さんのことがずっと好きだったんだ。」
部活終わるまで教室で待ってると言ってたさやか。
とっくに部活は終わっているというのに、メールしても返信来ないから心配で探していたらさやかが告白されとった。
俺のファンクラブの人間が怖いから付き合うことは隠したいと言ったさやか。
その時は納得したが、彼女が告白されてんのは嫌じゃ。
「ごめんなさい。」
そっか、俺こそごめんね
なんて言って男が教室から立ち去ろうとしたので慌てて隣の教室に隠れ、男が階段まで行って姿が見えなくなったのを確認してからさやかがいる教室へ入った。
「お前さんも意外とモテるんじゃのぅ。」
「ま、雅治。ごめん待たせて。」
「別によかよ。」
テニス部は他の部活よりも活動時間が長いから、多分この時間に校舎に残っとる奴はいない。
「さやかってよく告られとるん?」
「あーうん…たまにだけど。」
なんじゃ。
今までは俺に隠しとったわけか。
「隠してたん?」
「雅治も言わないしさ。興味ないだろうし。」
「興味ないわけなか。」
「え?」
「さやかは俺の彼女じゃ。気になるに決まっとる。」
俺は一体何を言っとるんじゃ。
お互い様なのに。
「ちょっと嬉しいかも」
「なにがじゃ。」
「雅治が気にしてくれるの。」
嬉しそうに笑うさやかが可愛くて、俺はさやかを抱き締めた。
「好いとうよ。」
「あたしも。」