進撃の巨人

□守りたい。
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「どうしてですか!!?」



丸一日経った今でも、あの時の彼女の言動が、頭を埋め尽くす。



「今回の作戦もそうでした。…どうして、私を信用してくれないんですか!」

「…知ったことを聞くな、お前が使えねぇからだ。」

「…そんなの、私にどれだけの力量があるのか、兵長が一番よく知ってるじゃないですか。」

「自惚れるな。俺の判断に従えねぇ奴は、この班にはいらねぇ。」



突き放すような言い方をした。
それについては反省こそしたが、後悔はしていない。

泣き出しそうな顔を隠すようにして走り去った名無しさんの背中が、目に焼き付いて離れない。


それでも、良かった。





「おーい、リヴァイーっ!」

「ッチ…なんの用だ、クソメガネ。」

「今日、名無しさんがエルヴィンに異動の申請をしに来たってよ?」

「!!」

「…もちろん、却下されたけど、なに、なんかあったの?」

「お前には関係無いことだ。」



自分でも、らしくないと思ったが、ハンジが居なければ今すぐ名無しさんのもとへ飛んでいったに違いない。
それほど、内心焦っていた。



「せっかく良いこと教えてあげようと思ったのにー。」

「なんだ?」

「あははっ、名無しさんの事となると人が変わったみたいだな、リヴァイは。」

「…うるせぇ。」

「ま、なんにせよ、こういう事はリヴァイが苦手なのは承知だけど、もっと相手の気持ちになって考えてみたら良いんじゃないか?…名無しさん、昨日から部屋に籠ってるみたいだよ。」

「…お前に説教されるとはな。」


ふん、と口元だけ少し笑って、リヴァイはその場を後にする。



「―…おお、意外だ。怒るかと思ったのに。」



さっさと行ってしまったリヴァイの後ろ姿を見送って、ハンジはポツリと呟いた。









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