×××
□届かない
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「全部×××のお陰だよ!ありがとう」
幸せそうに笑っているのは、私の好きな人。
幼なじみでいつも気付いたら隣にいたちゃにょる。
もう、一緒には居られなくなるんだな。
だってちゃにょるの隣は彼女の居場所でしょ?
私の居場所は・・・ない。
ある日の帰り道。ちゃにょるが真剣な顔で言ってきた。
「俺、好きな人出来たんだ。」
それ以上言わないで―
聞きたくない―
心の中で叫んだけど、言葉に出せなかった。
今の関係を壊したくなかったから。
「×××のクラスの・・・ソナなんだけど」
それから私はいろいろちゃにょるに協力して、今日付き合うことになったらしい。
「俺らいつまでも"親友"でいような!」
ズキンズキン。
私とちゃにょるは親友、自分に言い聞かせて笑顔を作った。
「当たり前じゃん!ずっと"親友"だよ」
ちゃにょるは笑った。
こうやって一緒に帰るのも今日が最後なんだろうな。
「ちゃにょる、おめでとう」
そんなこと心の中じゃちっとも思ってない。
なんで私じゃないの―?
私の方がちゃにょるを知ってるのに―
振り向いてよ、ちゃにょる―
その言葉も胸にしまったまま、私達は別れた。
一番近くにいるのに、
届かない。