dream of H×H

□飛行船の中で
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明日の朝8時到着。
それまでは自由。


ゴンとキルアは飛行船の探検に向かった。

子供は元気だねえ。


「オレはとにかくぐっすり寝てーぜ」
「私もだ。
おそろしく長い一日だった」

レオリオとクラピカはそう言ってため息をついた。


私も疲れた。


「じゃ、私休んでくるから。また明日ね」


そう言って、二人に手を振った。

「ああ」
「またな」



まさか私が今日初めて会った男と、こんなに仲良くなるなんて。

やっぱり、クラピカには何かあるんじゃないだろうか。

古い記憶の、金色の髪。

ただ同じ金髪だから?


不思議と古い記憶とクラピカを重ねようとすると、右目が熱くなる。


なんだろう。



考えながら廊下を歩いていると、向かいからヒソカが歩いてきた。


げ。



無視無視。



「や


ち。

無視できなかったか。


「君さ、思い出したよ★
君自身じゃなくて、君に似た人と知り合いだったみたい



「ミナ=クレイトン」



ヒソカの口から出た名前に、時が止まった気がした。



「やっぱり


ヒソカはにっと口角をあげた。



「なんで知ってるの?」


「二回だけ仕事を一緒にしたことがある★
何度か食事に誘ってたんだけど断られてばっかりだったんだよ
ミナに似てるね



「…どこにいるか知ってる?」


「知らない
残念ながらね
連絡先も知らない。
いつも向こうから連絡くるんだ



そうか。
なら。
用はない。


「そ。ありがと」




そう言って通り過ぎようとしたとき。



「待ってよ



ヒソカの手がつかんだわけでもない。

急に。

動けなくなった。


違う。

動いたら、死ぬ。


逃げたい。
動けない。
逃げたい。
逃げたい。




汗が、ゆっくりと頬を伝う。
次から次へと。

汗が流れる。




「動いたら切るよ



そう言って、ヒソカは笑いながら。


私の唇を奪っていった。




ぶん殴りたい。

でも、そんなことより。


早く、早く。



ヒソカから離れたい。


目を閉じることもできず、足も手も動かない。



ヒソカの唇が離れても、動けない。



「ずるいやり方だったかな
ごめんね


ヒソカは笑って私から離れて行った。
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