dream of H×H

□一次試験開始
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「君達で405人だよ」


小さな男の子の疑問に答えた男が近づいてきた。


「俺はトンパ。もう何回も試験を受けているベテランさ。何でも聞いてくれよ」


偉そうに言ってるけど、要するにずっと不合格ってことでしょ?


小さく笑うと、トンパは私の方を見た。


「君も初めてだろ?」


トンパはそう聞いてきたけど、胡散臭い奴だから軽く頭を下げておくだけにした。

三人のうちの小さい男の子は、人懐っこくトンパと話をしている。

トンパは嬉しそうに試験常連の受験生を紹介し始めた。



その時。
会場に叫び声が響いた。


妖しい男が一人の受験生の腕をぶったぎったらしい。
トンパによると、奴はヒソカといって、去年試験官を半殺しにして失格になったらしい。


半殺しにされる程度の試験官?
ヒソカって奴が強いだけ?

どっちにしろ。
あいつには近寄らないでおこう。


「他にも危ない奴はいるぜ?色々教えてやるから安心しな!
あ、そうそう。お近づきの印だ」

トンパは三人にジュースを渡した。

「君もどうぞ」

そう言って、三人に渡したジュースと同じものを私に差し出してきた。


「あ、ありがとう」


…なんか入ってそー。


「遠慮なくどうぞ」



ジュースを開けずに見ていると、トンパが飲むように促してくる。


「うえ」


その時、先に口にした男の子がジュースを吐き出した。

「トンパさん、これ腐ってるよ?味がヘン!」


「え?ふ、古くなってたかなー?」


トンパはわざとらしく笑ってごまかしている。
一緒に居た二人も、ジュースの中身を捨てた。



「…やっぱりね」


私もそう呟いて、缶をトンパの足元に置いて会場の奥に向かって歩いた。
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