long dream of うたぷり

□ST☆RISH
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香は朝から鏡の前で格闘していた。
デビューライブに着ていく服が決まらないのだ。
普通のワンピースか何かでいいかななんて思ってたら、四人は結構きっちりステージ衣装みたいだったため、慌ててドレスを選んでいるというところだった。
ピアノの発表会などでドレスは持っているが、ライブとなるとまた少し違う。


「…どうしよー…でも後輩たちのステージだし…」

目立ちすぎず、だからといって地味すぎず。

「…もーこれでいっかなぁ…」

香がはぁとため息をついたとき。

「香ちゃあーん!!準備はできたぁ!?」

ばんとドアが開いて林檎が入ってきた。

「きゃあああっ!!りっ!林檎ちゃんっ!!」

「あら、ごっめーん!まだそんな格好してたの?」

「え?そんなってどんなっ!?」
「どれ?」
「お、いい格好だな」
「ふむ」


「ちょーっ!!林檎ちゃんっ!!ドア閉めてぇっ!!」

香は下着姿をワンピースで隠してしゃがみこみポイポイ服を投げつけた。

「あはは、ごめんごめん」

林檎は笑ってドアを閉めた。

「ちょいちょい!林檎ちゃんも出てってよおっ!!」

見た目で忘れがちだけど、林檎は立派な男なのだ。
香は顔を真っ赤にして後退りした。

「じゃんっ!」

林檎は全く気にしてない風にドレスを香に見せた。

「え」

「社長からのプレゼントっ!いい曲を作ってくれた御褒美だって」

ウインクした林檎は香にはいっとドレスを渡した。
そのドレスはカジュアルテイストだけど、生地がいいせいか凄く高級感もある。

「さ!ほら、着替えた着替えた!」

林檎は香の身体を隠してたワンピースをぽいっとほおりなげた。


「ひゃああああっ!!りっ!りんごちゃあん!!!」

「どうしたのっ!?香ちゃん!?大丈夫っ!!?」

「うあああっ!!入ってこないでえええっ!!」

香はクッションをばふっとドアを開けてきた嶺二に思いっきりぶつけた。
閉まるドアの向こうで、嶺二は蘭丸にズルズルと引きずられていく声が聞こえた。


「てめえ覚悟は出来てんだろうな」
「ラッランラーン!痛い!痛いよっ!」
「レイジ、見たの?」
「ち、ちらっとだよぉ〜」
「して、何色であった?」
「あ、水色のボーダーだった」
「はっ、色気ねえな」
「僕は結構好きだけど」
「お、アイアイわかってるねえ」
「ふむ、水色のボーダーか」



「りっ林檎ちゃーん…!あいつらぁ…!」

「はいはい、さ!これ着てね」

林檎は半泣きの香にささっとドレスを着せた。
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