dream of SD

□男子高校生の憂鬱
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二年の夏が終わると赤木は新キャプテンになった。
赤木がキャプテンになると、練習も今まで以上に厳しいものになり、そのせいで退部する者が増えていった。
結局、木暮、宮城、安田、角田、潮崎しか残らなかった。
三井は籍だけは残っているものの、1年前から顔を出さなくなっていた。

「ギリギリ試合は出来るから」

木暮は落ち込む赤木をそう言って慰めた。

「タケ!」

「香」

教室に入ってきた香は落ち込む赤木の背中に抱きついた。

「聞いたよー?また辞めたんだって?」

「…まあな」

「気にすんなって!やる気のないのが残ってたって全国には行けないんだから!」

香は、ねっ?と向かいで笑っている木暮に同意を求めた。

「香ちゃんのいう通りだよ。残った皆で頑張ろう!な?」

「…そうだな…」

「ね!私も練習まぜてよ!」

香の発言に赤木と木暮は顔を見合わす。

「人数少ないんだしさ、タケもキャプテンになったことだし、安西先生に聞いてみてよ〜」

香の言葉に二人は腕を組んで考え込んだ。








「そんなわけで!今日から練習にまぜてもらうことになったので!よろしく!三井香です!」

香は練習前に赤木に紹介された。
部員達は最初は「女の子なのに大丈夫なのか?」という顔をしていたが、その後の練習でそんな考えはあっという間にどこかにいってしまった。

「すごいっすね」

1オン1を終えた宮城が汗を拭きながら香に言った。

「へへ。リョータも上手いよ」

香は思いっきりバスケをやれる環境に、心から喜んでいた。
きっとその場にいる誰よりもバスケを楽しんでいた。

「香さんってなんで学ラン着てるんですか?」

彩子は更衣室で香に聞いた。

「んー…スカートがさ、どうしても着れなくて。中学の時の担任が理解ある人でさ、じゃあ学ラン着ればってなって。
…本当は男なのかもね」

香は笑ってロッカーを閉めた。

「でも赤木先輩のことは好きなんですよね?」

「まあね」

彩子の質問に少し顔を赤くして笑った。

「香さんの学ラン、似合うから私は好きですよ」

「そ?」

「その辺の男よりかっこいいし。中性的っていうか」

「あはは、ありがと」

香はこのあっけらかんとした彩子にも随分助けられた。
彩子はマネージャーとして入部して練習すれば問題ないんじゃないかと提案してくれ、その通り香はマネージャーとして入部することとなった。

そして三年の春。
とんでもない一年生の入部、三井の復帰、初めてのインターハイ出場が決定した。
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