dream of H×H
□出会いと別れ
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私の一番古い記憶。
「コウ、こっちだよ」
と優しく私を呼ぶ声。
太陽にキラキラと反射する金色の髪。
そして。
差しのべられた、小さな、暖かい手。
「ママ?」
朝起きると、ママは新聞を真剣に読んでいた。
私に気がつくと、慌てて新聞を閉じて、何でもないと言いながら朝食の準備を始めた。
後でママが読んでいた新聞を見ると。
『クルタ族の血、途絶える』
突然襲われたクルタ族。
遺体は眼球を全て持ち去られていた。
生き残りは不明。
絶望的と。
そう書かれた記事を読み、ママに「これひどいねー」なんて言った。
まだ他人事だった。
ママが私にコンタクトを渡すまでは。