─接触1

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自分で作ったものだから何も考えずに捨てるかもしれない。

それがとても気になった。

「お前それ捨てるのか?」
「これ?」

プラスチック板には傷がつき、色も剥げてきていた。

「ボロボロだしそうしようかな。やっぱり公式のグッズの方がつけたいし」
「じゃぁそれくれよ」
「・・・朔馬に?」

潤は目をぱちくりさせる。

「何でまた・・・」
「いいからよこせ!分かったな!」

じっと見てくるので恥ずかしくなってしまった。
最後は乱暴に終わらせると鞄を担いで教室から出た。

俺があのストラップを持ってたってつけることはない。

でも捨てられることを考えれば勿体無いような気もする。
折角作ったし。

それににじうさがデビューする前の時代の思い出になるというか、貴重品になるというか。

とにかく捨てられるのを見ていられなかった。

そして忘れていたがもう夏休みだ。
暑さは増すばかり。

海に行きたいなと考えたり。

俺が何故学校にいるのかと言うと、補習を受ける為であった。

夏休みに行ったテスト。
あれが大変な点数を叩き出し、順位はがた落ち。
1週間の補習を受けなければ単位が貰えないと言う。

面倒臭いよりも卒業出来なくなるのは困る。
折角入った学校なんだし、友人達と一緒に卒業したい。

潤はと言うと、彼は余裕の点数でボードに貼り出された上位者発表に名前が載っていた。

普段大人しくて変態だが、テスト時期になるとすごい奴なんだなと感じる。

その潤は俺の側にいたいと言う理由で自主的に補習を受けることにしたらしい。
あいつにしたらクソ簡単な授業でつまらないだろう。
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