←ツンデレ

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深いキスをして愛撫を受けた。

待ち望んでいた感触に安心するが拓とのことが脳をかすめる。

圭助が満足しなかったらどうしよう。

比べられたらどうしよう。

ズボンに手を入れられて目を開けた。

「・・・怖い」

自分が怖い。

自分に生まれた人格が怖い。

拓が生まれなければこんなに悩まなかったのに。
圭助と繋がれたのに。

でも―

「怖いよね・・・」

圭助は抱き起こしてくれた。

でも拓がいなかったら圭助とこんなに密接な関係になれていない。

悩みを共有して、人格を口実に会うこともなかった。
人格に負けないように素直になろうって思えた。

圭助の家を後にしてベッドに寝転がりながら考えた。

もう何度キスをしただろう。

数えられないくらいしたかな。

あと1歩の勇気があれば俺は完璧に彼のものになることが出来る。

うずくまって目を閉じた。

溺れそうで怖い。



「珍しいね、拓海から家に来たいなんて」

ずっと圭助の家に行くのを避けてきた。

「大丈夫かなって」
「何が?」
「・・・人格の話」

圭助は不思議そうに首を傾げる。

「圭助もっと危機感持って。2人切りになったら何されるか分かんないんだよ」
「ぁ、ごめん・・・」

拓がずっと出てきていないのでもしかしたらと家に遊びに来てみた。
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