←ツンデレ

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圭助が1人で話しているとおばさんが帰ってきた。
近くのコンビニに行っていたみたいだった。

特典目当てにお菓子を買い込んでいるらしい。
息子が呆れて言っていた。

「いらっしゃい、拓海君」
「お邪魔してます」
「本当に拓海君は礼儀正しい子ねぇ」

おばさんはちらと圭助を見る。

「礼儀正しくなくて悪かったね」
「あんたは元気だけはあるもんね」

冗談めかしておばさんは笑う。

「そんなあんたに、はい」

テーブルの上にカラフルなプリントが載せられた。

同時に覗き込む。

近所の個人塾の夏期講習のお知らせであった。

圭助は母親に促されて興味があるようだったが俺には必要がない。

だって長期休みの度にいとこの実咲さんが先生として泊まりがけで家に来るからだ。

実咲さんには受験時にお世話になった。
試験を受けたのが俺でなくとも感謝をしている。

まだ食事に連れて行く約束は果たしていないと思われる。

圭助はそのことを知らない。

丁度中学に上がってから始まった勉強会だったので知らせてはいなかったのだ。

その頃実咲さんはまだ大学生だった。

圭助は一緒に夏期講習を受けたそうだったが断った。

理由を聞きたがっていたが言えなかった。

もし俺と実咲さんとの付き合いが長く、受験勉強に関わっていたと知られれば、俺が北を受けた理由がバレてしまう恐れがある。

俺がずっと圭助を想っていたなんて本人には知られたくない。
恥ずかしい。
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