■第二篇

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ジフは唸るとあごに手を当てる。

「3日連続ヤりまくってんじゃないの?腰が砕けたとか。お前は気にするな」
「あぁそう・・・」

彼の頭の中ではケイトイコール性交、らしい。
でもそれは俺も否定出来ないかもしれない。

俺だって普段ケイトが何をしているか、何が趣味なのか、家ではどんなふうなのか知らない。

多分付き合いが長いだろうジフでも知らないはずだ。

ケイトの質問をするとちょっとしたことでも「知らない」で返ってくるのだ。

でも互いに性格は理解しているらしい。

ふと疑問が浮かぶ。

「お前とケイトっていつからの仲?」
「中学も一緒だったんだけど、話したことなかったんだよな」

どうやら中学時代のジフは誰にでも声をかける人ではなかったらしい。

「人が嫌いっていうか、近付くなって感じでさ。友達はいなかったと思う」

逆に友人達に囲まれている彼を想像出来ない。
今だって常に単独行動だ。

ジフが連れ回してるだけ。

「進路先が一緒だったから―あ、あの学校受けたの俺とあいつだけだったんだけど、家に突撃訪問したんだよね」
「何でそこで突撃訪問なんだよ」
「驚かせようと思ってさ」

そこが軽い考えというか。

「家に誰もいなかったみたいだから庭に回ったんだよ」

だから何故庭に回ったのだ。

「あいつのことだから居留守でも使ってんのかなって。そんで家の中覗いてみたんだよ。そしたら!」

びっと俺を指差す。

「泣きながらおっさんとヤってたんだよ」

衝撃的なファーストコンタクトだ。

絶望的な顔をしそうになったが、ジフの表情は硬いまま止まっている。

「相手、あいつの父親だったんだよ」
「・・・父親?」

常識外れの話にオウム返しになる。
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