■第二篇
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「学校の準備はOKなの?」
1階に下りるとマリーは昼食の準備をしていた。
準備と言ってもデリバリーで何を頼むのかメニュー表を睨めっこをしているだけ。
日本食が懐かしいな、とメニュー表のピザを見る。
「はい」
「楽しみね〜。高校時代が1番楽しかったわ。ダンスパーティーはジョンと踊ったのよ」
どうやらマリーとジョンは若い頃からの付き合いらしい。
友達から恋人になったのか、恋人から結婚相手になったのか定かではないが。
「ダンスですか」
「日本にはない?卒業式とかにはあるのよ」
俺がアメリカにいる間に卒業式がある。
ダンスパーティーのことまでは考えてなかったな。
「何食べる?今日は2人しかいないから、夕食も配達にしようかしら」
「クリスもいないんですか?」
マリーは顔を上げる。
「ジョンは出張。ケリーとクリスは親戚のお家に行ってもらったの。多分帰りは夜中でしょうね」
買い物かと思ったが違った。
「折角あなたがいるのにごめんね。お婆ちゃんがわがまま言うものだから」
そうか、クリスはいないのか、とマリーに差し出されたメニュー表に目を通す。
今の気分は―
「パスタが食べたいです」
夜まで読書をし、夕飯をマリーと食べた。
ピザとドリアンを3人分頼んだ。
途中で彼女がピザを追加。
益々白米が食べたいなとスプーンを舐める。
今度寿司屋でも捜そうかな。
何処の国にも日本食屋はあるはずだろう。
ゴミを処分してから食卓椅子から立ち上がる。