■第二篇

□■
2ページ/15ページ

「学校の準備はOKなの?」

1階に下りるとマリーは昼食の準備をしていた。

準備と言ってもデリバリーで何を頼むのかメニュー表を睨めっこをしているだけ。

日本食が懐かしいな、とメニュー表のピザを見る。

「はい」
「楽しみね〜。高校時代が1番楽しかったわ。ダンスパーティーはジョンと踊ったのよ」

どうやらマリーとジョンは若い頃からの付き合いらしい。

友達から恋人になったのか、恋人から結婚相手になったのか定かではないが。

「ダンスですか」
「日本にはない?卒業式とかにはあるのよ」

俺がアメリカにいる間に卒業式がある。

ダンスパーティーのことまでは考えてなかったな。

「何食べる?今日は2人しかいないから、夕食も配達にしようかしら」
「クリスもいないんですか?」

マリーは顔を上げる。

「ジョンは出張。ケリーとクリスは親戚のお家に行ってもらったの。多分帰りは夜中でしょうね」

買い物かと思ったが違った。

「折角あなたがいるのにごめんね。お婆ちゃんがわがまま言うものだから」

そうか、クリスはいないのか、とマリーに差し出されたメニュー表に目を通す。

今の気分は―

「パスタが食べたいです」



夜まで読書をし、夕飯をマリーと食べた。

ピザとドリアンを3人分頼んだ。
途中で彼女がピザを追加。

益々白米が食べたいなとスプーンを舐める。

今度寿司屋でも捜そうかな。
何処の国にも日本食屋はあるはずだろう。

ゴミを処分してから食卓椅子から立ち上がる。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ