─接触2

□│
1ページ/8ページ

お迎えテストが返却され、夏休みの課題も一斉に返された。

家にいても暇だったのでちょこっと勉強はしていた。
だからテスト結果はまあまあ。

夏休み明けに席替えをした。

「朔馬の点数見せて?」

またこの変態王子様が隣になった。

飽きもせずに神様とやらは俺と潤をセットに置いておきたいらしい。

片手でテスト用紙を渡す。

「おー」
「おー、じゃねぇだろ。どうせお前の方が点数高いんだろ」

乱暴に潤のテストをひったっくった。

97点。
俺より10点以上も高いし。

悔しくなんかない。
だって勉強の量が違うのだから。

「先生に添削してもらってたお陰かな」
「良かったな」
「うん。褒められたんだ」

素直な奴。

「それにしてもにじうさのデビューライブやばかったなー」
「朔馬興奮しまくってて意味分かんないこと言ってたよね」
「記憶にねぇわ」

潤は体ごと横を向いて同じく横を向く俺の手を握った。

「夏休みはあまり一緒にいれなかったから、今度の休みはずっと一緒にいようね」

そのまま手の甲にキスでもしそうな勢いであった。

甘いマスクで囁くように言われ、言われたこっちが恥ずかしくて手を払う。

「さぁな」
「えー」

それでもへらへらする潤。

全員にテストを返し終わると教科担任が注目するよう呼び掛けた。
体を戻して注目する。

「鈴木先生は早退したのでチャイムが鳴ったら帰っていいそうです」

ひゅー、と口笛をする生徒。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ