─接触1
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ケータイでホームページチェック。
毎日の日課だ。
更新不定期のアオのホームページ。
大体ライブの日は更新される。
「え!」
その日はライブはないのに更新されていた。
驚きのあまり思わずケータイを落としそうになってしまった。
食い入るようにして画面を見る。
「潤!潤!」
もたもたと帰りの準備をしていた潤を呼ぶ。
潤は一旦中身が出ている鞄を置いてこっちに来た。
「何?」
「アオのブログ!見た?」
「まだ見てないけど･･･」
「馬鹿!ファン失格だぞ!」
俺は呆ける潤にケータイを押し付けた。
見る見る内に潤の表情が変わっていく。
でっかい目を更に大きく開いて今にも零れ落ちそうであった。
「本格デビュー･･･!?」
それはレインボーラビットが某音楽会社と契約をしたとのニュースであった。
記事へのコメントと拍手が殺到している。
「デビューだぞ!デビュー!CDとか出るんだぞ!」
「え、嘘!CD欲しい!」
「にじうさの知名度って意外とあったんだな!」
女みたいに黄色い声を上げて抱き合った。
教室に残っていた生徒達は騒がしさにこっちを見ていた。
「じゃぁグッズとかも出るってことかな?」
「当たり前じゃんか」
すると潤は自分のケータイを取り出した。
前に自分で作ったと言っていたストラップがぶら下がっている。
それが羨ましくて声をかけたんだっけ。
「これともおさらばだ」
潤は笑う。
本当に喜んでいて、グッズ販売なんかなったらそれは外すのだろう。