→素直
□⇔
1ページ/4ページ
ねぇ
誰だろう。
目を開けてるのか閉じているのか分からない暗闇。
ねぇってば!
パチンッ
ハッとして目を開けた。
スポットライトが真上から自分を照らす。
急な明るさに目を伏せる。
眩しい。
頬がひりひりする。
拓海
目を上げると俺と同じ顔をした人が立っていた。
彼は嘲笑うかのような笑みを向けて俺の顎を掴んだ。
拓だ。
頭がぼんやりしている。
拓海、聞いて
思考が働かない。
寝起きに何を言おうとしているのだ。
俺は拓を見つめて何を言い出すのか待っていた。
俺、負けた
勝ち負けの結果か。
こんな話をした記憶があるな。
圭ちゃんは拓海が大好きだった
拓海の想いより、圭ちゃんの想いに俺は負けたんだ
圭助の想い?
圭助が俺を待っているの?
拓は頷いてポケットに手を入れた。