→素直

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ねぇ


誰だろう。

目を開けてるのか閉じているのか分からない暗闇。


ねぇってば!


パチンッ


ハッとして目を開けた。

スポットライトが真上から自分を照らす。

急な明るさに目を伏せる。
眩しい。

頬がひりひりする。


拓海


目を上げると俺と同じ顔をした人が立っていた。

彼は嘲笑うかのような笑みを向けて俺の顎を掴んだ。

拓だ。

頭がぼんやりしている。


拓海、聞いて


思考が働かない。
寝起きに何を言おうとしているのだ。

俺は拓を見つめて何を言い出すのか待っていた。


俺、負けた


勝ち負けの結果か。
こんな話をした記憶があるな。


圭ちゃんは拓海が大好きだった
拓海の想いより、圭ちゃんの想いに俺は負けたんだ


圭助の想い?
圭助が俺を待っているの?

拓は頷いてポケットに手を入れた。
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