←ツンデレ

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たまに記憶がなくなる。

なくなると言うより“世界が変わる”って言う感じ。

俺の精神が不安定で別人格が表に出ているからみたいだ。

主に圭助への欲求が募ると“世界が変わる”。

圭助に感づかれただろうな。

直接口で言わずに想いが伝わるなんて。

でも向こうからは何も言ってこない。
きっと知らん顔をしてくれているんだと思う。

学校生活にも慣れ、親切な人達が校内案内をしてくれたお陰で1人で行動出来るようになった。

中学の親しかった友人達は1人もいなかった。
専門学校に進学したんだと思う。

1年以上も連絡を取っていなかったので何だか気恥ずかしくて放置したままだった。

その為、前からの知り合いは圭助だけとなってしまった。

圭助は中学からの同級生である中尾春樹と行動を共にしていた。

前から仲がよかったのかいつも楽しそうに会話をしている。
体育の時間は肩を組んでいちゃついていた。

こんな表現は当てはまらないかもしれないが、嫉妬心を燃やす俺の目にはいちゃついているようにしか見えなかった。

体育祭も無事に終わり家でのんびりすることにした。
勉強についていくのは大変だが何とかやっていけそうな気もする。

目標を新しく作ったのだ。

今年こそは誰にでも素直になって接すること。

まぁ素直になれないのは特定の相手しかいないんだけど。

「拓海、いい加減に起きなさいよー」

ソファに寝転がっていたら頭を掴まれた。

「うーん」
「空返事しないの。お母さん出かけていなくなるんだから誰も起こしてくれないんだよ」
「うーん」
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