←ツンデレ
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実咲さんが帰ってからが大変だ。
自力で勉強をしていかなければならない。
赤ペン先生のように出された課題を解いて実咲さんに提出する。
実咲さんも大学で忙しいだろうに。
学校の先生に助けてもらいながら勉強を進めていった。
俺が通う学校は高校受験に力を入れていて、勉強するには持って来いの環境だ。
外はすっかり真っ暗になっていた。
ずっと座りっぱなしだった為、背中が痛い。
キリのいい所で終わらせて帰ることにした。
雪がちらついていたがバス停に着く頃には止んでいた。
ここのバス停を使う生徒はほとんどいない。
終点は田舎くさい古びたターミナル。
だから待合室は狭くて人が2人入るのが精一杯だ。
知らない者同士だと1人が座っていると1人は立つ仕組みになっている。
待合室を覗くと誰かがベンチに座っていた。
オレンジ色のマフラーに顔を埋めて目を閉じていた。
まつげが震えて目がゆっくりと開く。
「・・・あ」
俺の姿を捉えると向こうは嬉しそうに微笑む。
夜遅くまで居残りをしていた為、帰路で圭助に会うことはなかった。
でも彼もこんな時間に帰っていたなんて。
ただタイミングが合わなかっただけなのか。
圭助は横にずれて座るように促してきた。
圭助の隣。
「座りたいなんか頼んでないんだからな・・・」
素直に座ることが出来なくて生意気を言ってしまった。
それでも彼は笑顔で手招きをしてくれた。