→鈍感
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チーズケーキが1番好き。
レアチーズがいいかな。
ブルーベリーソースが申し訳程度にかかっているのが理想だ。
皿にチーズケーキをこれでもかというくらいに盛った。
テーブルに戻ると中尾が抹茶を飲みながら笑い出す。
「食べ過ぎでしょー」
「バイキングなんだからいいの」
といいつつ後で胃がもたれないといいな。
女子とカップルばかりかなと思いきや、意外と男子同士が多かった。
スイーツ男子と呼ばれる類か。
向かえに座る中尾を見る。
中尾はカップゼリーを2つ食べただけだった。
「・・・もしかして甘いの嫌いだった?」
「ん?いや、嫌いってわけじゃないよ。ただお前みたく執着してないだけ」
これなら焼き肉に行った方がよかったのかもしれない。
複雑な気持ちでフォークをケーキに刺す。
ふにゃりと表面が崩れた。
「何かごめんね」
「俺から言い出したことだし、気にすることないよ」
中尾は気を遣ったのかコーヒーゼリーを取りに席を立った。
この店のチーズケーキはたくさん種類があった。
硬さもいろいろ。
さっきから同じケーキばかりを口にしている。
中尾がおかわりの抹茶も手にしてコーヒーゼリーを持ってきた。
「さっきから気になってたんだけど訊いてもいい?」
座るなり身を乗り出す。
「何?」