■第二篇
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心底関わり合いたくない。
そう思ったのは一瞬の出来事で。
この学校は初めて留学生を迎えたらしい。
俺がその1人目だ。
珍しい留学生を一目見ようと教室には大勢の男達が集まった。
しかし誰も話かけてくれることはなかった。
何故かと言うと、
「みんな教室に入ってくればいいのにね」
「貴様みたいなビッチがいたら近付けないだろう」
「お前も十分下半身が緩いけど」
「貴様と一緒にするな」
この2人のせいだ。
転入初日、ジフがトイレでいなくなった時に、1人が話しかけてくれた。
交流を深めようと笑顔で対応しようとしたが、相手は神妙な面持ちだったのだ。
「あの2人には近付かない方がいいよ・・・」
お洒落な丸眼鏡をかけた彼は暗い表情を浮かべる。
「どうして?」
俺だってあまり関わりたくないが、向こうがこっちに寄って来るのだ。
日本と違ってクラス制ではないのに、わざわざ指定の教室までやってくる。
留学生はまず初めに専用授業を受けなければならないので俺は移動出来ずにそのままだ。
「ジフ・メイジャー、分かるだろ?さっきまでいた奴」
「あぁ、うん」
「あいつ、この学校の変態No2なんだ」
No2?
あれでまだ2位なのか。
「学校」ということは全校生徒が認めたのか。
「あいつカミングアウトしてるんだけど、この学校のほとんどはあいつにヤられていると思う」
何とまぁ不吉な言葉。