黒子のバスケ book
□another world
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*流血表現あり
嵐が吹き荒れる大地。
暗闇と静寂に包まれたそこは数分前まで
戦場だった場所。
辺りを見渡せば、屍がゴミのように転がっている。
そんな異様な雰囲気のなか、一人の少年が佇んでいた。
この場所に不釣合いな、血の一つも流さず
立つ様は堂々としていて、凛々しい。
その少年の名は、青峰大輝。
かつて、戦場に名を馳せたこの国最強の剣士。
僅か10ほどの年から戦に戦を重ね、
そのたびに勝利を重ねてきた。
今ではその名を知らない者はいないほど。
我が道を行く姿勢は数々の国民の心を掴み
圧倒的な支持を得ていた。
それに、少年が斬るのは、どれも裁判に
かければ死刑確実の重罪を犯したものばかり
ということもあり、国中から英雄として
崇められていた。
そんな人気で強者だった少年は、いつからか
人を斬るのをやめてしまった。
それは、ある出会いがきっかけだった。
そしてその出会いは、悲劇を生むことになる。