黒子のバスケ book

□始まりの予感
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「青峰っち!1on1するっス!!」


最近バスケ部に入ってきた奴。
その名も、黄瀬涼太。


入ってきた当初から
何かと俺に付きまとってくる。


前に、理由を聞いたことがあった。


『そりゃ・・・強いからっスよ』


そしたら、こう答えた。


・・・変な奴。


「・・・いいぜ」


・・・別にコイツと1on1するのは
嫌いじゃねーから、いいけど。


でもな・・・







「あーっ!また負けたっス!!」


負けるって分かってるってーのに。
毎回しぶといってゆーか・・・


「・・・やっぱ青峰っち強いっスわ・・・」


「・・・俺に勝つなんざ、まだはえーよ」


汗だくになったTシャツを脱ぎ捨てる。
・・・この感触は嫌いだ。


すると、黄瀬も脱ぐ。
やっぱり汗臭いのは気になるか・・・


「・・・黄瀬」


「ん?何スか?」


男にしては白い肌、
細身の筋肉のついた体。


・・・俺とは正反対だな。


「・・・お前、もっと食え。細すぎ」


俺が言うと、黄瀬がふき出した。


「・・・俺、モデルっスよ?
太ったらやってけないっス!!」


・・・そういや、そうだったな。


「・・・お前モデルって感じしねーよ」


「・・・あ。言ったっスね」


急に黄瀬の目つきが変わる。


「・・・これ見ても、そう言えるっスか?」


すると、


俺が見たことの無い黄瀬がそこにいた。


射抜くような眼差し。
汗さえも、自分を見せる道具になる。


「・・・モデル、みたいだ」


「みたいな、じゃなくて本職っスよ・・・」


なんだか、一瞬。


・・・本当に一瞬だけ、
キレイだって思った。


同じ男でもそう思えるくらいに。


・・・でも、俺は。


「・・・普段のお前の方が、好きだ」


「え!・・・
何言ってんスか!?青峰っち!!」


見慣れてるお前の方がいいっつーか・・・


俺は黄瀬に近づき、


「・・・そのままでいろよ」


耳元で言ってやった。


「・・・あ・・・・」


黄瀬の顔が真っ赤になってる。


何か・・・かわ・・・・・・


・・・・・・くそ。


「・・・帰んぞ」


「あ・・・待ってっス!!」


・・・ちくしょう。黄瀬のせいだ。


あんな表情しやがって。


・・・可愛い、とか
思っちまったじゃねーか。






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