長編

□運命
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邪見は手をポンと叩くと、殺生丸の横についた。




「思い出しました殺生丸様!…確かお父上がまだご存命の頃ほんの一度だけお話なされました」



「…何でもあの湖は遠い遠ーい陸奥に広がる巨大湖。その中にはお父上でさえ叶わない妖怪が身を潜めているとの噂で御座いまする」





覚えていた事に誇らしげに胸を張る邪見には目もくれず、毛束を風に靡かせた殺生丸は鼻で笑った。






「他には何と言っていた」






「えーっと…他は特にお話しされて無かったような」






「…そうか」








「あ!待って下さーい殺生丸様!!」






地面を蹴って空に上がった殺生丸の毛束に邪見が遅れまいとしがみつく。





目指すは陸奥ー




丁度陸奥の方角から微かな妖気を感じる…




今度こそ…父上が対決した輩をこの手で下す。











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