長編
□運命
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旅路
『竜雹湖ノ内、大蛇有リ…大蛇ノ内ニワ眠ル者有リ…起スベカラズ』
戦国時代のこの世ーー
何処に行っても乱が起きた後か、戦の後でとてつもない貧困に悩んでいる村で溢れている。
しかし人がいくら死のうと関係ない。
今こうしてこの世を生き歩く理由
(追い求めるは…覇道)
なぜ父上は妖怪の私を認めず、全てを明け渡さなかったのか。
私はそれに値しないというのか。
それでは私は何なのであろう。
「邪見」
「はい殺生丸さま!何でございましょう」
「竜雹湖を知っているか」
緑色の子供にも満たない妖怪は毛すら無い頭をボリボリ掻きながら何か捻りだそうとしているようだった。
「さて…?…竜雹湖……竜雹…あ!」