adventure record 〜ocean〜
□ 嵐の海で
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波の音と共に声が聞こえた。
「…ぇ。ねぇってば!」
「うぅ…」
もうちょい寝ていたい…。波の音が心地いいんだもの……。後触れてる砂の感触も……。
「ちょっと!起きてよ!」
何者かがあたしの肩を激しく揺らす。どうしても起こしたいらしい。
「…うぅ…ぐっともぉにんぐ…」
「もう夕方だよ!っていうか大丈夫?倒れていたみたいだけど…」
目を開けて話しかけている者を見て初めて知る。
「……ここ…どこ…?…しかも…ポッチャマが喋ってる…!?」
そ〜んな〜、まっさかぁ〜。きっと寝ぼけてるんだ。しっかり目を覚ませばわかるはず…。
目を擦って、再びポッチャマがいる方に向く。あれ?手の感触が違ったような…。
ポッチャマがずいっと顏を近づける。
「僕が喋ったらおかしい?」
………。
「…喋ってるーーーー!!?」
…ってるーー…てるーー…るー……
夕日に包まれた海岸に自分の叫んだ声が響いた。