adventure record 〜ocean〜
□ドクローズ
1ページ/18ページ
ホムラは早朝、ぼんやりと窓の景色を見ながら思い出していた。
窓から見えている木の枝。それに付いている青々とした葉っぱがゆらゆらと風に吹かれて揺れていた。ポタリと水滴が落ちていくのも見えた。
「キザキの森の時の歯車が盗まれたらしい」
この前、朝礼でペラップが言っていた。時の歯車がないキザキの森は、風も吹かず、葉っぱの水滴も落ちず、その場に佇んでいる、すべての時が止まった状態らしい。
今見ている景色とは全く逆。全く見たこともないのに、何故か、そのキザキの森の状態を頭に浮かべることができた。
想像の中では、とってもとっても寂しい所に成り果てている。
なんだか胸騒ぎがする。
でも、今自分に何が出来るかと言われたら、何も出来ない。残念ながら無力なヒノアラシだ。
ジバコイルが犯人を捕まえてくれるだろうし、まあいいか。