adventure record 〜ocean〜
□時空の叫び
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ホムラはパチリと目を開ける。
「ポケモンの世界に来て三日目、か…」
ふぅ、とホムラは息をつく。外はまだ薄暗かった。
隣ではまだアクアがスヤスヤと眠っている。大きな音を立てるのはまずい。
だから彼女は自分の一人称についてベッドの上で考えた。
記憶を失う前の自分は、自分のことを"ボク"と言っていたのだろうか?
"ボク"という言葉が自然に出てきた、ということは、記憶を取り戻しつつあるのだろうか?
女子としてこのままでいいのだろうかぁぁぁ!?
隣にいるアクアを起こさないように頭を振った。落ち着け、落ち着け!
後から考えると…とても恥ずかしい!なにやってるんだ、あたし!
そこで、あたしは自分の中で取り決めをした。
みんなの前では、前のように"あたし"と言おう。出来れば心の中でも。イタイ子だと思われたくない。あたしは常識持った人間だ!……あ、今はポケモンだった…。
どちらにしても…!
あたしは決してボク少女ではっ……!
ドタドタドタッ
うるさい足音で思考は停止させられた。
窓を見ると、けっこう明るくなっていた。