銀魂*story
□糸で繋がる祝いの日
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十月十日。
あと数分で俺は年をとる。
「かぁー!」
ただでさえいい年だってのに、また一つ年をとると思うと、憂鬱になるな〜。
「……はぁ〜。神楽の奴はもう寝てるし、俺は一人で誕生日を祝うとするか〜」
ボリボリと後ろ頭をかきむしりながら、コンビニに行こうと玄関に足を運んだとき──
リリーンッ!!!
深夜の沈黙を打ち破るように、電話がけたたましく鳴りはじめた。
「おいおいこんな時間に電話とか誰だよ。不謹慎な奴もいるもんだな。
──もしもーし。万時屋銀ちゃんだよ〜。今の時間、わかってる〜?八時間労働はもう終わったんだけど〜。ていうか今何時かわかってる〜?」
『──銀時…』
言いたい放題言った矢先、電話の先から聞こえてきた声に、俺は一瞬固まった。
まさか、そんなはずはない。
あいつはもうとっくの昔に眠っているはずだ。
あいつは昔から早寝早起きという、周りの模範となる存在だったからな!
一人自問自答しながらも、俺はおそるおそる口を開いた。
「──ヅラか…?」
*