銀魂*story
□眠り姫と甘い口づけ
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「──と…これでいいか…」
町へと出向いていた俺は、右手に持つ箱を見、口を開いた。
それは──ケーキの入った箱。
そう。今日は──桂の誕生日。
このときのために、俺は密かにお金を貯めていた。
貧乏なくせに──頑張ったな俺…と自分で自分を褒めてみる。
「……桂、もう来てるよな?」
万事屋の前にたどり着き──俺は上を見上げた。
「ただいま〜」
扉を開け、声をあげる。
今は神楽と新八は依頼を受けに入っている。
だからきっと──家の中には桂しかいないはずだ。
「桂、いるのか〜?」
部屋を覗いてみると──そこには桂の姿があった。
ソファーに腰掛けているから、こちらから表情は伺えない。
「…たく…いるなら返事くらいしろよな?お前だって言うだろ…?」
桂の肩をぐっと引こうとした俺の手は──触れただけで止まった。
「………///」
桂は──眠っていた。
*