銀魂*story
□雫 雨となって 弐
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「お前の顔も声も、見たくもねぇし聞きたくもねぇんだ…!だから──帰れよ!」
…あのコトバが…今の俺の心の中で響き渡っていた…。
あんなひどいこと…言うつもりじゃなかった…。
言うつもりじゃなかったってのに…何で…。
最後に見せた桂の横顔が、今でも鮮明に残っている…。
心の底から傷つき、ショックを受けた表情…。
あんな桂の顔を見るのは…あのとき以来かもな…。
ポタ…
そんなとき、外から雫が降ってくる音が聞こえてきた。
「………雨か…」
桂を怒鳴り、追い出してからすぐに──雨が空から降ってきた。
久しぶりに感じる──雨独特の香り…。
まるで──今の俺の気持ちを表現しているかのようで…。
降り始めた雨は、その勢いを増していった。
「……桂の奴…まさか…」
俺は傘を手に取り、万事屋を後にした。
*