銀魂*story
□今はもう昔の話
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「獣なら飼ってるぜ…?」
不覚だった。
過去に背を向け、逃げたアイツは…俺の予想を壊した。
刀をその身で受け、背中越しに淡々と言葉を紡ぐ銀時。
アイツはまだ…心の内に大きな獣を飼っていた。
アイツは──何ら昔と変わっちゃいなかった…。
「…………」
船の上。
風に吹かれながら煙管を吸う。
今はまだ冷たい風が、頬を掠める。
「銀時……」
ふと、奴の名前が口をついてでる。
『高杉…』
俺の名を呼ぶ、銀時の声が胸の中に──心の中に強く響き渡る。
最初から──わかっていたことだろ…?
銀時と俺の未来が──違っていたことなんてよ…。
*