ヒカルの碁*story

□二人きりの教室
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春から夏へ季節が変化してきたある日。





僕はまた進藤のいる中学に足を運んでいた。





「明日も来てくれるんだよな!?」





目をキラキラ光らせてそう口にする進藤を僕が裏切れるはずがない。





「あぁ。もちろん行くよ」





そう言った後の進藤のあの笑顔は、僕の心に強く焼き付いた。





「……進藤!」





早く着きすぎてしまったのか、教室の中には人の気配がまるでなかった。





進藤や先輩たちが来るまで一人で打っておこう。





僕はそう思いながら近くにあった椅子に腰かけた。





──と同時に教室の扉が音をたてて開いた。





そこから姿を現したのは──





「あっ塔矢!今日早かったんだな!」





進藤だった。





「うん。こっちもちょっと早く学校が終わってね」

「そっか。待たせて悪かったな!」





そんな小さなことで気を遣ってくれる進藤が、僕は好きだった。





「今日は先輩に和谷も来れないんだってさ」

「そうなんだ。じゃあ今日は──」

「おう!俺と塔矢の二人だぜ」





進藤がふと口にした言葉が、僕の鼓動を早まらせた。






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