幼なじみに恋をしました
□変わらないきみのまま
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でも。
「その呼び方は嫌じゃ」
「え?」
あの頃から変わっとらんのなら
何でそんな風に呼ぶと?
何で
壁を作る?
「昔みたいに呼びんしゃい」
「・・・」
「変わっとらん言うなら・・・」
──・・・まーくん
幼い香乃の、笑顔と
俺を呼ぶ
甘えた声が耳に蘇った。
いつも
俺の背に隠れる香乃が好きじゃった。
甘えた声で俺を呼ぶ
香乃が好きじゃった。
俺の姿を見付けて
ほっとしたように笑う香乃が
途方もなく好きじゃった。
変わっとらん言うなら
どうか──・・・
「昔みたいに、呼んでくんしゃい」