幼なじみに恋をしました
□変わらないきみのまま
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抱きしめた香乃は泣いとった。
昔のまま変わらない
泣き虫な香乃。
淋しいと思うとったんは
俺だけじゃなかった、と。
自惚れてもええんじゃよな?
4.変わらないきみのまま
授業の開始を告げるチャイムが鳴ったのは
数分前。
香乃はもう泣き止んどったが
まだ俺は
香乃を抱きしめたままじゃった。
泣きやんだ香乃は冷静になったのか。
それとも恥ずかしくなったのか。
俺から離れようと身動ぎした。
離したくなくて
抱きしめた腕に力を込めると。
「あの・・・仁王くん」
戸惑うような声で呼ばれた。