幼なじみに恋をしました
□変わらないきみのまま
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変わったと思うとった幼馴染みは。
昔の
泣き虫な香乃のままじゃった。
「追いかけたのに
追いつけないから私──・・・」
そう言った香乃は、泣いとった。
昔から
香乃の涙に弱い俺は
泣き止んでほしくて
抱きしめたんじゃ。
「すまん」
置いて行ったつもりなどなかった。
俺は何一つ
変わっとらんから。
周りの
俺に対する態度が変わっただけ。
でも。
香乃がそう言うて泣くから。
「泣かんで、香乃」
笑ってほしいだけなんじゃ
昔みたいに。
俺の側で。
誰よりも側で。
「すまんかった」