幼なじみに恋をしました
□埋めようのないゼロセンチ
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「最近仁王がよく
C組に来るようになったのは
何でだろうね?」
ふふふ、と
温和な微笑みを向けてくる幸村くん。
何でだろうね?と
問いかけておきながら
彼は別段
答えを期待していないようだった。
むしろ
私の反応を見て楽しんでいるような
そんな
悪戯っ子のような目をしている。
「幸村くんに、用事じゃないの?」
「・・・本気でそう思ってそうだね」
幸村くんが苦笑する。
私の席の前の席に腰かけ
背凭れに乗せた腕で頬杖をつきながら。
「仁王も大変だな」なんて言っている。
机を挟んで
私と顔を見合わせていた幸村くんが
何かに気付いたように
廊下側へと視線を向けた。
3.埋めようのないゼロセンチ