幼なじみに恋をしました

□無意識じゃいられない
3ページ/7ページ






不意に

視線をコートの外に向けると

今はもう

俺のことを

完全に忘れ去ったかのような

幼馴染みの香乃を見付けたんじゃ。




昔はいつも俺の姿を探し

見つけた途端

安心したような笑顔を

俺に向けてくれとったのに。





そんな

俺を頼り切った

香乃の笑顔を見ると

嬉しくて。

俺まで笑顔になった。





香乃が

俺を避けるようになったんが

いつからじゃったか

よう覚えとる。





中学に入ったばかりの時は

まだ

お互いの家を行き来しとった。

学校ではあまり話さんかったが

存在さえ

無視するような態度はなかった。





テニス部のレギュラーになった途端

周りの女子の態度が一変した。





立海大附属男子

テニス部レギュラーっちゅう肩書は

一部の女子からは

人気があるらしかったが

俺には別段どうでも良かった。




 
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ