最果てで見る夢

□放課後の告白
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「侑士ってさ

 今まで

 何人の女を喰ってきたわけ?」

「・・・いきなり何や」





放課後。

日直の最後の仕事でもある

日誌を書いていたときの

香乃の言葉。





そんなん聞いて

どないしたいんや。





そう思いつつ

香乃を眺めると

何やら真剣な目で見つめられとるし。





ほんまに

何がしたいんやろか

この姫さんは。










『放課後の告白』










唐突な疑問を口にした香乃は

今は窓の外に視線を向けとる。





うんうん唸っていることから

怒っとるんやなく

悩んでるんやろう。





それにしても

何で女のこと聞くんやろ。





「何かさ

 寝た女の数は三桁ですとか言われても

 信じそうだよね」

「『だよね』って

 俺のこと何やと思っとるんや」

「セックスマシーン?」

「誰がセックスマシーンや」

「え? だから侑士」

「・・・あほか」





「あほって言われたー」と

泣き真似しとる香乃を横目で眺めながら

俺と姫さんって確か

付き合うとるんとちゃうかったやろかと考える。





普通

彼女がそんなこと聞くか?





過去の女のこと聞いても

嫌な思いするだけやろ。





第一な

中三の男が三桁て

ありえへんやろ。





どんなけ

盛っとると思われてるんや、俺。





「何でそんなこと聞くんや?」

「え? 今日友達と話してて」

「友達と何の話しとんねん」

「『侑士はエロヴォイスだ』とか

 『声聞いただけで妊娠しそう』とか

 『年上の彼女がいてそう』とか」

「どれもありえへんやろ。

 特に最後。

 俺の彼女は同い年やねんし」

「じゃ、浮気相手だ!

 不倫はよくないよっ!」




 
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