短編 T

□envious
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「あ、の……仁王、くん」



怯えを含んだ声が俺を呼んだ。

酷く苛つく。

何でそんな顔をする。

何で笑わん。

何で──…










『envious』










「何?」

「あ……あの、先生が、」

「そげん声じゃ、聞こえんとよ」

「あ、……ごめん、なさい」



いつも、小林は俯いとる。

特に、俺の前では。

俺が怖いんか、見ようともせん。

それが、無性に苛つくとよ。
 
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