短編 U
□Happy Birthday
1ページ/8ページ
「誕生日、か」
ぽつり、呟いた。
部活中の俺の声は、周りの歓声に掻き消えるが。
「小林さん、ですか?」
隣におった柳生には、聞こえとったらしい。
くい、と、眼鏡を押し上げる柳生。
その表情は嬉しげで、何じゃと視線で問いかけてみれば。
「何やら悩んでいるようなので」
「俺が悩んどったら嬉しいんか。親友の言葉とは思えんなり」
「彼女の誕生日をどうお祝いしようかを悩む仁王くんなんて、
珍しいというか初めて見ましたから」
→
次へ
[
戻る
]
[
TOPへ
]
[
しおり
]
カスタマイズ
©フォレストページ