短編 U

□仁王先輩の彼女
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他校との練習試合。

次は、仁王先輩の試合だった。

ラケットを持った仁王先輩が、

いつもみてぇにダルそうに歩いて、不意に立ち止まった。





多分、何となく振り返ったんだと思う。

振り返った後、驚いてたから。

仁王先輩の視線は、

俺たちレギュラーがいる場所の、少し斜め上の観客席。





仁王先輩が驚いてたのは、ほんの数瞬。

その後、

何か眩しいものでも見るように、目を細めて。

すげぇ嬉しそうな。





そんで、

気持ち悪いぐらいに優しい表情で笑った。










 
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