幼なじみに恋をしました

□埋めようのないゼロセンチ
4ページ/9ページ






驚く私を見た幸村くんが

微笑んだ。





「いつまで経っても

 仁王が動かないから」





楽しそうに微笑む幸村くんと

彼の言葉の意味が分からず

首を傾げる私。





丸井くんがお礼を言って

C組の教室のドアから

廊下に出たのと同時に

授業開始のチャイムが鳴った。










──・・・おはよう。





あの

久し振りに視線を合わせた

挨拶の後から

仁王くんと私との間にあった

距離が少しずつ変わって。





教科書を貸したあの日から

仁王くんが

声を掛けてくることが多くなった。





今までほとんど

姿を見かけることもなかった幼馴染みは

いつの間にか

近くにいることが多くなった。










そして今も。





先生に、授業で使った地図を

社会科準備室に戻しておくように

頼まれた私の隣を

仁王くんが歩いている。




 
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ