短編 U

□溶けて混ざる
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今この時

俺だけが

香乃を独占できる

この時が

途方もなく

愛おしいとよ。










薄暗い室内。

窓から差し込む月明かり。

仄かな光が照らし出すのは

俺が組み敷いた香乃。





潤んだ鳶色の双眸。

汗も体液も

ぐちゃぐちゃに混ざり合うて

もうどちらのものか分からん。

このまま二人

溶けて混ざり合うてしまえれば

二度と離れることはないというのに。

それも出来んもどかしさ。




 
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