夢声

□声を聞かせて(第四章)
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「…!っつ」


さらに抱きしめられた力強さ
よりも

狛村の欲望を
鈴姫は
背中に感じ
突然の狛村の情熱に
身を固くする




「笑わないでほしい」


狛村の声が震える


「この時間が終わってしまう事が
儂は恐い…」



狛村の硬くなった
それは次第に熱を帯びる


背中の熱を受けながら

「狛村様…」



鈴姫が囁き言葉につまる


狛村は鈴姫の背後から

左手で彼女の
目をふさいだ

右手で彼女を支え



白い首筋に鼻を近付ける


鈴姫の色こくなる
香りを嗅ぎながら


「このまま…全てを話し…
全てを見せ

貴女を…



鈴姫…



鈴姫を…」


切なくうめく狛村



耳元で熱っぽく名をささやかれ

大きな手に視界を遮られた
鈴姫は
狛村の思いを受け入れた様に

強ばった体の力が抜ける…



『これ以上は…
これ以上の事はしない
しばしこのまま…』


狛村が更に
耳元で囁く
低く低音で耳をくすぐられた



鈴姫は
自由にうごく口で



「さ…左陣様…」


狛村の名を呼ぶ


名を呼ばれた

艶めく唇が
狛村の名を口にした


小さく灯った火が
一瞬


狛村の理性を飛ばし


思わず…狛村は鈴姫の
首筋から肩にかけ

舌を這わせた
甘い香りのが広がった気がした
肩から
又、耳元に戻る舌
耳元をねぶる舌

狛村は

『鈴姫…』

っと、ため息と共に
彼女の名前を口にする…


手にさえぎられた視界に
突如与えられた快楽の入り口

鈴姫は身体中を痺れる感覚に
襲われた…



思わず…



「…あっ、…あぁん」


名を囁かれた拍子に
狛村の息が

鈴姫の感覚を支配し

堪らず漏れた
女の甘い声

鈴姫の吐息にもにた
その声に狛村が


はじかれたように理性を取り戻した
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